藤原岳
■鈴鹿山系■2010年3月22日〜23日■山中テント泊 セツブンソウを求めて鈴鹿の山へ |
7年ぶりの鈴鹿山行である。目的はトモさんにセツブンソウを見せること。人の手が加わっていないセツブンソウを確実に見るために、「花の藤原岳」を選んだ。 |
セツブンソウ。 |
3月22日(月)1日目 |
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自宅を未明の3時に出発。8時くらいになって、ようやく登山口付近の新町まで来た。しかし、ここからがわからない。車であっちをうろうろこっちをうろうろ。20分くらいかかって、やっと登山口を見つけた。墓地に面した登山口の駐車スペースは、車8台分くらい。あとから2台の車がやって来て、スペースは埋まってしまった。 歩きだしてすぐ、道はふた手に分かれる。右の道が広そうだが、正解は左の道。調子良く高度を上げると、白いものが目立つようになってくる。昨日寒気を伴う前線が通り過ぎ、雪を降らせたのだ。 丸山への急登にトモさんは苦戦気味。ここはとにかくすべりやすい。泥状の土であるうえに、平らな足の置き場が少ない。おまけに雪とくれば、慎重にならざるを得ない。転べばドロドロになるのは必至。 9:50、丸山到着。雪のない部分にセツブンソウがちらほら。記録的な暖冬で、もう咲き終わったかなと心配していただけに、ひと安心。ただ、雪のせいか花びらにハリがないのが残念。7年前の同時期ここに来たときはもっと群生していたから、少し遅かったようだ。 丸山からは完全な雪道になる。スパッツを持ってきて良かった。しばらくはなだらかな道が続く。聞き慣れない鳥の声がするので頭上を見上げると、カラより大きな鳥が2〜3匹梢に止まっている。双眼鏡で確認するとキレンジャクだ。ヒレンジャクも混じっている。案の定、すぐ近くの木に、レンジャクの好物であるヤドリギが奇生していた。 治田峠からの主稜線と交わってから、道は傾斜を増す。再びセツブンソウが姿を見せる。そしてフクジュソウも。急斜面なので撮影はやめておいた。 12:40、藤原岳山頂に到着。かなりの人がいる。冷たい風が吹いているので、ザックをおろすことなく避難小屋に降りる。山頂〜避難小屋間は、雪融け泥水でドロドロ。防水靴でなければ悲惨である。 小屋裏手の台地で昼食。ここも人が多い。フクジュソウも多い。踏まないように場所を選んで腰をおろした。 稜線を北上し、天狗岩へ、さらに白船峠へと向かう。天狗岩まではフクジュソウをしばしば見かける。天狗岩を過ぎてからは雲行きがあやしくなり視界悪く、花もなく見るべきものはなし。
白船峠に着いたのは14:50。ここから真ノ谷へと下る。雪に踏み跡はなく、ここ数日は誰も歩いていないようだ。斜面をトラバース気味に下る細い道で、もともとここを歩く人は少ないのだろう。
20分で真ノ谷に着いた。テント場がすぐそこに見える。今にも雪か雨が降りそうで、なにわともあれテントを設営。横を流れる沢で水を汲んでお茶を沸かし、ほっとひと息つく。ここの水は伏流を繰り返しているそうだが、飲用とするには煮沸すべきだ。 レトルトシチューとフランスパンで簡単に夕食を済ませたら、あとは寝るだけ。冷え込みは厳しくなく、2℃。購入したばかりの冬用シュラフ(イスカ ダウンプラス ニルギリ)の性能を確かめるつもりだったのに、これじゃあテストにならない。 |
けっこう雪が降ったようだ。 残念ながら開いたヒロハアマナはなかった。 雪の間にセツブンソウがちらほら。 丸山を越えたあたり。 山頂近くの急登。 藤原岳山頂。 フクジュソウ。 天狗岩から藤原岳山頂を眺める。 真ノ谷のテント場。 |
3月23日(火)2日目 |
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3:30、起床。弱い雨が降っている。テントを叩く音から察するとミゾレのようだ。出発前に焼いて持ってきたパンをコーヒーで流し込み、ルートを思案する。当初は、ピストンするつもりだった。しかし、雪のせいで、昨日歩いた道で花は期待できないし、トモさんは、藤原山頂直下や丸山付近の急斜面を下るのはイヤと言う。そこで白船峠から冷川へまっすぐ下ることにした。 6:00、小雨のなかテントを撤収し、白船峠へ登り返す。いろいろあって、白船峠まで1時間もかかってしまった。冷川への道はすべりやすい土のところもあるが、概ね良い。通行禁止の坂本谷分岐を過ぎ、どんどん下る。水気のある平地ではセツブンソウが少し咲いていた。また、かなり下ったところの道脇にミスミソウが一株。写真におさめる。 8:30、白船登山口着。車道を小1時間歩き、三岐鉄道西藤原駅へ。そこから2両編成の電車で2駅だけ移動し、東藤原駅下車。再び車道を歩いて駐車地に戻ったのは12時近くであった。帰宅後、雨具についた泥を落とすのがやっかいだ。 |
雨の中、白船峠まで向かう。 雨の中、岩陰にミスミソウをみつけた。うれしい。 三岐鉄道西藤原駅。 |