八経ヶ岳・弥山

■大峰山系■2010年4月17日〜18日■山中テント泊
■行程[行動時間]
1日目 天川村川合〜栃尾辻〜ナベの耳〜レンゲ道分岐手前(テント泊)[5時間10分]
2日目 レンゲ道分岐手前〜(レンゲ道)〜弥山辻〜八経ヶ岳〜弥山〜狼平〜栃尾辻〜天川村川合[8時間30分]
■メンバー:トモさん、キュウさん(報告者)

冬と春がせめぎあう、4月半ばの八経ヶ岳

2週間後のゴールデンウィークは、南奥駈をやる予定。ウォーミングアップを兼ねてテントをかつぎ、天川村川合から八経ヶ岳まできっちり歩くことにした。

八経ヶ岳

レンゲ道。朝日に木々の氷が光る。


4月17日(土)1日目

天川村役場の公衆トイレ付近に車を置き、8時すぎ、歩き始める。最初は階段続きで息が上がるが、時間を気にする必要はなく、スローペースで歩けばさほどしんどさは感じない。でも、植林混じりで展望はなく、退屈ではある。

ジャスト10時、坪の内林道と出合う。林道を使って車でここまで来ようかなとも考えたが、どんな林道なのか走ったことがないのでわからないし、雪融けによる落石が気がかりだったのでやめておいた。車が通れないほどの落石はないだろうが、尖った落石を踏むことによるパンクが嫌で…。

林道を数十メートル進み、左手に伸びる登山道を再び歩くことになる。が、今回は林道をこのまま進むことにした。1km程先で林道と登山道が急接近するところがあり、しばらく登山道のアップダウンを省略できるからだ。ちなみにこの間は工事中で車は走行できない。また人の背丈ほどもある落石がそのままになっており、実際車は通れない。

林道を20分程歩くと、左手斜面にアルミ製はしごがたてかけてある。ここから登山道へと入る。

栃尾辻避難小屋に着いたのは11時前。小屋内部はきれいとは言えないので、外で立ちながら、おにぎりをほおばる。寒気の影響で風が冷たい。地面は3〜4cmの雪。

栃尾辻からの登り(ナメリ坂)は、1518ピークを右に巻くが、巻かずにまっすぐ進んで天女の舞へと進んだ。やがて、天女の舞。視界が開け、一瞬、台高の明神平に来た気分になる。

1518ピークを越え、南東方向に歩く。テープも踏み跡らしきものもないので注意が必要。あまり東寄りに歩くと、いつまでたっても登山道に合流しない。傾斜のゆるいところを選びながら、心持ち右へ右へと下れば、やがて登山道へと下り立つ。

ナメリ谷源頭近くの鞍部で、初めて2人組の登山者に会う。挨拶して先を進む。

13:20、レンゲ道との分岐に到着。今日はここまで。付近でテントを場を探すため、ザックを置き、まずは水を確保。狼平方向へ10分下ったところの水場で4リットル汲んだ。水場は分岐と狼平のほぼ中間にあり、流れ出た水が道を横切っているので見落とすことはないだろう。

分岐に戻り、川合方向へほんの少し戻ったところの道脇にテントを設営。テントを張っている間、続々と登山者が通り過ぎていく。女性、あるいは男性の単独行者、若い男女7人程のパーティー、夫婦らしきペア、中高年2人組…。以前同時期に狼平で幕営したときは、2日間で1人しか会わなかったから、ちょっと驚いた。今夜の狼平は賑やかなことだろう。

夕食はいつものように、レトルトのごはんとカレー。さあ食べようとしたときに問題が発覚。トモさんが、2人分のスプーンと箸を忘れた。かなり凹んでいたようだったが、トモさんがアルミ箔で即席スプーンを作り、事なきを得た。

林道

きのうは4月にしては記録的な寒さだったようで林道付近も霧氷。


足跡

積もったばかりの雪。先行者は足の大きな人。そして動物の足跡。


天女の舞

1518ピーク手前の平原。天女の舞。


天女の舞

天女の舞からの眺め。


1518ピーク

1518ピークへの登り。


テント

平なところに適当にテントを張る。


スプーン

アルミホイルでつくったスプーン。


4月18日(日)2日目

3時起床。テント内1℃、外がマイナス3℃。思ったほどは冷え込まなかった。パンで軽く朝食を済ませ、テントをそのままにして、5時前に歩きだす。

分岐からレンゲ道を歩く。そこそこテープがあるので迷うことはない。高度が上がり、トウヒやシラビソが目立つようになる。空気は澄み、細尾山から見た雲海がとてもきれいだ。

明星ヶ岳に近づくと、今度は樹についた霧氷がきれいだ。いや、霧氷というより、完全な氷。前日の霧氷が太陽に照らされていったん水となり、それがまた冷やされてクリスタルな氷になっているのだ。こんなのは初めて。ナルニア国物語の中で、魔女によって一瞬に氷の世界へと化した森のようだ。

6:10、弥山辻で奥駈道に合流し、そこから15分で八経ヶ岳に到着。寒いのですぐに弥山に向かう。弥山辻の前後、2人の単独行者に合っただけで、ここに人影はない。近年できたトイレも閉鎖されている。

弥山小屋

八経ヶ岳山頂より弥山小屋を眺める。


狼平へと下る。後半は木道が整備されているが、表面が氷っているので慎重に歩く。途中、弥山をめざすいくつかのパーティとすれ違う。やはり昨晩、多くは狼平に泊まったようだ。

狼平を経て、レンゲ道との分岐付近のテントに戻ったのが8:30。ラーメンを作って早い昼食をとり、テントを撤収して、川合へと戻る。

頂仙岳付近でルリビタキをカメラにおさめ、再び歩きはじめると、今度は大きなニホンリス。静止してくれたので、こちらもカメラにおさめる。

昨日や今朝とうってかわり、この時期らしいポカポカ陽気に、服を1枚、また1枚と脱ぐ。

登山口に13:15分到着。旧西吉野村の豆腐屋で、おからと厚揚げを買って帰ろう。

雲海

雲海。


氷

氷の世界。


氷

瓦みたいな霧氷が落ちてくる。


八経ヶ岳

弥山小屋より八経ヶ岳山頂を眺める。


狼平

狼平。


ルリビタキ

ルリビタキ。


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