ヒキウス平
■台高山系■2010年5月29日〜30日■山中テント泊 ヒキウス平でシロヤシオ見物とテント泊 |
何度も来ているヒキウス平。一度ここでゆっくりテント泊したいと思っていたのでシロヤシオの花の時期にあわせて泊まってみた。 |
ヒキウス平から桧塚奥峰を眺める。 |
5月29日(土)1日目 |
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登山口に向かう道中、上市の「こばし」に立ち寄る。ここのやきもちはとても有名なのだが、人気が高いので、予約なしではまず購入できないらしい。開店直後の8時すぎ、昨日予約した、つぶあん3個、こしあん2個、計5個のやきもちを購入する。そんなわけで、大又林道終点の登山口に着いたのは午前9時すぎと遅く、駐車スペースは7割程度埋まっていた。このぶんだと今日は満車になりそうだ。 5月下旬にこのあたりの山に入るのははじめてだ。葉の緑が初々しく、最初の林道歩きでも十分森林浴が満喫できる。時期を過ぎたのか地面に咲く花はほとんど見られないが、ウツギやフジの花は今が盛りである。 咲秋の豪雨による旧林道終点付近の陥没はすっかり元の状態に戻されている。でもまた大雨が来れば、あのようになるのであろうか。 沢を何度か渉る。2、3日前まとまった雨が降ったので幾分水量が多いように思える。自分は靴を濡らすことなく渡れたが、トモさんは足を滑らせ片足をドボン。しかし靴の中に水は入っていなかった。目にもとまらぬ早さで足を引き上げたからなのか。不思議。 明神滝を横から眺めるところにあるベンチで休憩。おなかもすいたので、「こばし」のやきもちを賞味する。餡は意外とあっさり。餅の部分は、すごくもちもちしている割に表面はパリッとしていて、そこが人気の理由のひとつかも。木漏れ日の下でやきもちを食う。峠の茶屋の風情。 明神平に着く。数人の人が休んでいるだけ。国見岳、薊岳、桧塚方面と、それぞれ先に行ってしまっているらしい。 ブナの林でしばらくバードウォッチング。でも鳥は少ない。カラ類とアカゲラと思われるゲラの声がわずかにするだけ。 明神岳から左に下り、桧塚方向に進む。暑くもなく寒くもなく、本当に心地よい。ヒキウス平に直行する予定だったが、時間が早いので、桧塚奥峰をピストンすることにする。山頂が近づくと賑やかな声がする。団体さんがいるのだろうか。それよりも気になるのは、桧塚奥峰付近のシロヤシオの木にほとんど花がついていないこと。今日はヒキウス平のシロヤシオを鑑賞するのが第一の目的なのに。 山頂にはやはり団体さんがいた。三重県側から登ってきたらしい。明神平まで足を伸ばすかどうか話し合っている。向かいの山のほうからはカッコウの声がする。久しぶりに耳にした。 明神岳方向へ少し戻り、道をはずれてヒキウス平へ。ヒキウス平に近づくほどシロヤシオの木が増えてくるが、やはり花はほとんどついていない。咲いているのは20本に1本ほどの割合で、咲いていない木には一輪すら花がない。どうしたんだろう。今年は4月、5月が記録的に寒かったから、これから咲くのだろうか。それともこれでおしまいか。いずれにせよ残念である。 ヒキウスオアシスと呼ばれるテント場を探すために北側の谷へ下る。谷に降り立たち、上流に60mも進めば、それらしきところがあった。平らだし、すぐそばを沢が流れていて、仮にここがヒキウスオアシスでなくても、幕営にはぴったり。ブナもある。なお、生で飲める飲用水の確保は、すぐそばを流れる沢の源頭まで足を運んででもいいが、そこよりも近くにもっといいところがある。この沢を40mほど下ると右手から小沢が流れ込んでいる。その小沢の源頭だ。そこはヒキウス平の入り口にある「支配人」と呼ばれているシロヤシオの木のすぐ下。テント場から歩いても3分程度。この日は、苔が張り付いた岩の上からこんこんと湧き出していた。 テントを張り終えてもまだ14時すぎ。もういちどヒキウス平の見晴らしのいいところ(ヒキウス劇場)に戻り、シロヤシオはもっと咲いていないか見に行く。が、残念ながら花を咲かせた新たな木は見つけられなかった。しかし収穫もあった。「支配人」の木のあたりで、カッコウをじっくり観察。カッコウを見るのは7年ぶりで、トモさんはとても喜んでいた。 沢が流れるテント場なので、夕食はパスタ。食べ過ぎたのか、やがて眠くなり、8時半に就寝。 |
ヤブデマリ。 ヒメレンゲ。 川を何度も渡る。 こばしの焼き餅。新緑の木陰で。 こんなに緑の明神平は初めてだ。 ちらほら咲いているシロヤシオ。 ヒキウス平。 シロヤシオの木。 なんとか写ったカッコウ。 シロヤシオの芽。つぼみの数も少ないような・・・ 小川のほとりにテントを張る。 |
5月30日(日)2日目 |
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カッコウの大きな鳴き声で目を覚ます。ここに来てから、ずっとカッコウの声を聞いている気がする。そこで僕たちはこのテント場周辺を、ヒキウスオアシス改め「カッコウの谷」と呼ぶことにした。 テントを撤収し、どこにも立ち寄らず、明神平から下山することにした。明神平に着くと、テントが5張りほど。おもむろにテントを片付けたり、芝生に腰を下ろしたり、みんなのんびりしている。少し鳥を探しにブナ林にはいってみるとアカゲラを見ることができた。 明神平からの下りでは、これから登る人たちと何度もすれ違う。昨日に引き続き天気は申し分なく、彼らには最高の初夏の1日が約束されている。どの人の顔もにやけているように感じたのは、自分だけであろうか。 |
ブナの新緑。 シャクナゲ。 登山口は車でいっぱい。 |