飯豊連峰(地神山〜飯豊本山,大日岳)
■飯豊連峰■2009年8月3日〜6日■テント泊
■行程[行動時間]
1日目 天狗平〜(梶川尾根)〜扇ノ地神〜門内小屋〜北股岳〜梅花皮小屋[10時間]
2日目 梅花皮小屋〜烏帽子岳〜御西小屋〜飯豊本山(ピストン)〜御西小屋[8時間]
3日目 御西小屋〜大日岳(ピストン)〜御西小屋〜烏帽子岳〜梅花皮小屋〜北股岳〜門内小屋[9時間]
4日目 門内小屋〜地神山〜地神北峰〜(丸森尾根)〜天狗平[5時間]
■メンバー:トモさん、キュウさん(報告者)、トモパパ、トモママ
東北を代表する山塊は、生命の息吹濃く
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初の東北遠征。東北へ足を伸ばす機会はそうないと思うので、いきなり岳人憧れの飯豊をめざすことにした。トモパパ、トモママにとっては避難小屋も初体験。 食料は僕が運ぶとして、寝袋やマットは各々かついでもらわなければならない。初日の登りを耐えられるか。また、8月に入っても梅雨明けしない異常な夏だが、花は例年通り咲いてくれているだろうか。水はちゃんと出ているか。不安要素はいっぱいあるけど、まあ、何とかなるでしょう。
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前日
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前日の朝4時すぎにトモさんの実家のある和歌山市を出発。北陸自動車を東進し、登山口の山形県小国町天狗平に到着したのは14:30分。標高400mと高くはないので、さほど涼しくはない。でも周囲に広がるブナの森が、東北にやって来たことを実感させてくれる。
この日の宿泊は天狗平ロッジだ。1人1500円と格安。比較的新しい立派な建物でおすすめである。僕とトモさんはロッジ横でテント(1人500円)を張るつもりだったが、あいにくの雨のためロッジに泊まることにした。今夜の宿泊は僕たちと若い親子3人の2組だけとあって、2階の和室を使わせてもらえた。ラッキー。ただし蚊が多いので、夏に泊まる場合は香取線香など虫除けを持ってきたほうが良さそうだ。
入浴と夕食は、すぐ近くの飯豊山荘を利用。トモパパにイワナ定食(1700円くらい)をおごってもらった。イワナの塩焼き、イワナのフライ、山菜の炊いたのと酢の物、漬け物、ごはん、味噌汁。素朴だがどれもいい味を出していた。
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天狗平ロッジ。
岩魚の塩焼定食。
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8月3日(月)1日目 飯豊はどこを登ってもしんどい。梶川尾根で稜線へ。
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イイデリンドウ。
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5時、ロッジの管理人さんに挨拶をして出発。管理人さんはロッジを運営・管理するNPO飯豊朝日を愛する会の人と思われるが、とても柔和で人あたりがいい。道の状況などの質問にも、ひとつひとつニコニコしながら答えてくれた。東北の人としゃべるのは初めてだが、こっちの人ってみんなこんな感じなのかな。
天気はよくない。いつ降ってもおかしくない曇天。梶川尾根の取り付きは、飯豊山荘から林道を南に100mほど進み、橋を渡ったすぐのところにある。登山開始。のっけからの急登に皆息づかいが荒い。ときどき手を使うところもある。あまりの急登に、最後尾のトモパパから、「こりゃ梅花皮小屋は無理だな。門内小屋までだな」とか「こりゃ雨が降ったら中止だな」とか、弱気な発言が飛び出す。まだ歩き出して1時間もたっていないのに。トモパパは、判断を下すのが早過ぎるきらいが認められる。それはトモさんとて同じ。親子だなあ。
それでも1時間半ほど歩くと、ときどき平らなところもあり、きつさは若干マシに。しかし汗は滝のように落ち、止まらない。熱中症の心配もあるので30分に一度は必ず休憩する。
8:00、滝見場到着。ガスで何も見えない。ちょっと残念。
8:45、五郎清水に着く。かなりの発汗でみんな水の消費量が多く、とても助かる。水場へは、ササをかき分け40〜50m下らなくてはならない。預かったみんな容器をエコバックに入れ、汲みにいく。1本のパイプからちょろちょろ水が出ているが、これは本当の五郎清水ではない。五郎清水はもう20mほど先にあって、岩の割れ目から吹き出すように水が出ている。冷たくておいしい水だ。ついでに頭や顔もシャワーのごとく浴び、クールダウンした。
ついに雨が降り出した。この蒸し暑い日に、雨具を着込むのは非常に酷。結局発汗は増して、衣服を多いに濡らすことだろう。
梶川峰を過ぎる頃、雨はやんできた。それでもガスは取れず、稜線を見渡せないのが残念だ。しかしマツムシソウやキンコウカの群落に遭遇し、みんなの表情も幾分晴れやかになってきた。
10:30、扇ノ地神で待望の稜線に乗る。疲労のためかみんなの口数は少ない。とりあえず門内小屋で大休止だ。
12:00、門内小屋着。はじめて行動食を口にする。もっと早く食べるべきだったが、暑さのせいか食べる気がしなかったのだ。門内小屋の小屋番さんが話しかけてきたので少し会話したが、この小屋番さんもとても人なつっこい。なんといったらいいか、とにかくピースフルなのである。12:45、再び歩きはじめる。
北股岳にさしかかると、花はがぜん多くなる。ミヤマクルマバナ、ハクサンシャジン、コバイケイソウ、クルマユリ、ヒナウスユキソウなど。そしてなんといっても、イイデリンドウの多いこと。限られた場所にしか咲いていないと思っていたので、見つけられるか心配だったが、この時期の稜線なら、どこにでもと言っていいほどある。
北股岳頂上。少し晴れてきた。
ウメバチソウ。
15:00、梅花皮小屋にようやく到着した。トモパパトモママは小屋泊まり。基本的に寝るのは2階で、炊事・食事は1階で行わなければならないらしい。トイレはなんと水洗である。おかげで臭くない。
テントを張れるのは小屋のすぐ北側か南側。どちらも完璧にフラットな部分は少ない。
水場は小屋から30mと近く、文句のつけないようのない水量。パイプから冷水がザアザアと飛び出している。この水を風呂桶みたいな大きな容器で溜めていて、ほとんどの人が「裸になって浸かりたいなあ」と頭の中で呟くのではないだろうか。
日本アルプスに較べると標高はかなり低い、でも初めての東北、でも真夏、ということでフリースを持ってくるかどうかみんな頭を悩ましたわけだが、今回について言えばまったくの不要。夜でも長袖シャツを2枚重ねれば十分だった。
小屋の1階におじゃまし、トモパパトモママと共に夕食。アルファ米とレトルトカレー、ツナ・キュウリ入りポテトサラダが今夜のメニュー。食ったらテントに戻って眠るだけ。
ハクサンシャジン。
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始めからずーっと急斜面。暑さと虫との戦いなのだ。
タマガワホトトギス。
コイワカガミ。
五郎清水。
梶川峰。
タカネサギソウ。
キンコウカ。
クルマユリ。(トモパパ撮影)
ヒメサユリ。(トモパパ撮影)
イワショウブ。
ヤマハハコ。
ヒナウスユキソウ。
チシマギキョウ。
花の名前はできるかぎり調べましたが似た花がたくさんあるのでまちがっているかもしれません。
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御西小屋への稜線。右が大日岳へ。左が飯豊本山へ。朝夕は虫除けネットをかぶっている。
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テントを出ると、眼下は雲海、見上げれば空に雲はなく、期待通りの天気になりそうだ。なにしろ今日は、御西岳を経て飯豊本山に至るというハイライトの日なのだ。
梅花皮岳から梅花皮小屋と北股岳を振り返る。
5:30に梅花皮小屋を出発し、2時間後に烏帽子岳に到着。本当はそんなに時間はかからないのだが、花の種類が多くて、写真撮影に忙しいのだ。イイデリンドウ、チングルマ、ハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、シオガマ類、など百花繚乱。
烏帽子岳を過ぎると、3箇所ほど雪渓が出てくる。標高2000mくらいなのに雪渓があるところは、さすがに東北の山。雪渓は端っこさえ歩かなければ問題はない。アイゼンは不要。(注:時期により状況は異なる)
雪渓から飯豊本山を眺める。
標高が低いから日焼け対策はいいだろうととかをくくっていたら、顔がヒリヒリしてきた。やはり紫外線が強い。下山後、無惨な自分の顔を見ることになる。
若干かすんでいるものの、今日は縦走路全体を見渡すことができ、素晴らしい。これから向かう飯豊本山も、大日岳もよく見える。くねくねと左右にうねる稜線は、龍とか、蛇とか、生き物のようだ。
稜線から大日岳を眺める。
9:45、御西小屋着。小屋脇にテントを張り、飯豊本山をピストンする。
御西〜飯豊山間、特に草月平あたりの主役はニッコウキスゲだ。登山道の右も左もキスゲがいっぱいで、キスゲの海を渡るよう。ただ、ガスって視界が悪くなったのが残念。
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梅花皮小屋から見た雲海とイブキトラノオ。
イワイチョウ。
ハクサンコザクラ。
タカネマツムシソウ。(トモパパ撮影)
花冠の副片が開いているミヤマリンドウ。
花冠の副片が立っているイイデリンドウ。ミヤマリンドウより色が濃い。
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ニッコウキスゲ群落。
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コバイケイソウ、ヨツバシオガマ、ニッコウキスゲ、シラネニンジンなどなど。
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飯豊本山山頂には石の小さな祠があり、信仰の山であることを知らされる。もっとも、信仰としての登山は福島県側からがメインだ。
御西小屋に戻ったのが13:30で、午後のひとときをのんびり過ごす。水場は小屋から見えているものの、標高にして40〜50mほど下らなければならず、何度も行くというわけにはいかない。タオルも持って出かけ、顔から足先までしっかり拭いておいた。まわりにはモミジカラマツの群落。
トモパパとトモママは、いつものように缶ビールを購入。350ml缶1000円もする代物だ。小屋番さんは「1000円もするけど本当にいいのですか。本当に買うのですか。高いですよ。やめといてもいいんですよ。水場の水おいしいですよ」と、かなりしぶったらしい。理由ははっきりしている。ビールがなくなると、自分が飲めなくなって困るからだ。還暦をとうに過ぎたであろうその小屋番さんは、7月から3ヶ月間、小屋に一人こもりっきりになるそうで、下界の恋しさから酒でも飲んでないとやってられないだろう。夏も盛りを過ぎると、客のいない日もあるだろうし、そうなれば話し相手もいない。酒好きなら、1本でも多く残したいはずである。
夕暮れどきの小屋前で、千鳥足で漂う一人の男の姿があった。誰かれとなく大声で話しかけている。相当飲んだに違いない。ふと顔を見ると、彼こそは小屋番さん、その人であった。幸せそうな彼の語りは、つきることなく、飯豊の夜空に吸い込まれていった。
本日の夕食:アルファー白米、高野豆腐、缶詰3種、きゅうりのキューちゃん。寝るのは2階、炊事・食事は1階が基本。もちろん宿泊者が多ければ、1階でも寝る。
トイレ:屋外にある。ボットン。ドアに鍵はなく内側に置いてある大きな石を使う。それでも心配。
日暮れころから雲が途切れるようになり、大日岳が目前に姿を表す。また、南側の眼下に会津盆地の夜景がときおり見られる。
飯豊の小屋では夜が早い。照明がないためか、小屋泊まりの人もほとんどが19時くらいには床についているようだ。我々テント組も大体そのくらいに寝た。
夜中に小屋番さんが、なにやら叫びながら小屋を飛び出してきた。虫である。ブヨに手足をかまれ、かゆいかゆいと言っている。飯豊は他の山と同様、朝と日暮れ前に虫が多くなる。さらにこの小屋付近では、夜が更けてから出てくる獰猛なブヨがいるらしい。そして今日は、小屋の玄関のカギが壊れてしっかり閉まらず、そこからブヨが入ってきたということである。いずれにしても夏の飯豊を登る人は虫対策を施したい。虫さされの薬、虫除けの薬、虫除けネット、少なくともこれらのどれかは持参したほうがいいと思う。幸い我々はテントに守られ、夜中虫に襲われることはなかった。
それにしても小屋番さん、人なつっこくて憎めない人だ。
ハクサンフウロ。
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飯豊山頂。残念、ガスっててなんにもみえない。
御西小屋。
水場。まわりにはモミジカラマツの群落。
コバイケイソウ。(トモパパ撮影)。
ウサギギク。(トモパパ撮影)
シナノキンバイ。(トモパパ撮影)
エゾシオガマ。
トモエシオガマ。
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8月5日(水)3日目 飯豊の最高峰大日岳に寄ってから、往路を引き返す。
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大日岳を振り返る。下りてからやっと霧が晴れてきた。
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トモパパとトモママは明日に備え、直接門内小屋へUターン。我々は大日岳をピストンしてから二人を追う。
大日岳方面はクマが1頭いついていると、昨日小屋番さんがいっていた。クマよけの鈴をトレッキングポールに取り付け、4:30に大日岳へと向かう。こちらも序盤は花が多い。特にマイズルソウの花が目立った。
1時間と少しで大日岳山頂に達するも、ガスで視界はなし。ガスがなければ360度の展望が楽しめるはずだ。山頂付近に広がるハクサンシャクナゲの群落を撮影し、途中様々な花の撮影をしながら引き返す。
テントを撤収し、門内小屋を立つ。ちょうどそのとき、本山方面から20名以上の団体さんがやってきた。もし彼らが本日門内小屋に泊まるとしたら、相当混雑することになるだろう。
昨日ほどではないが、天気はまあまあ。曇りがちであっても、日焼けが心配だ。
昨日歩いた道だから、もう花の写真を取る必要がなく、ハイペースで進む。御手洗ノ池ではご老人が休憩を終え、歩きだそうとするところだった。足下を見ると、左右の靴どちらにもぐるぐる布が巻いてあった。あの雪渓を歩く際のすべり止めだろうか。
御手洗ノ池とミヤマシシウド。
梅花皮小屋でトモパパトモママに追いつく。大休止の最中で、朝食用に渡した「無印良品バナナバウム」の残りを食べていた。一人につき1本半渡したのだが、食べきれなかったらしい。今回初めて購入したこのバナナバウムは、なかなかの優れもので、1本約480kカロリーもある。味が良く、コンパクト。今後も朝食用に利用するだろう。(1本189円)塩チョコ味バウムやストロベリー味バウムもある。
門内小屋すぐ手前の門内岳に達する頃には、すっかり青空になっていた。昨日今日歩いた稜線を写真に収める。やはり飯豊はデカイ。
13:30、門内小屋到着。門内小屋のテント場は、小屋のすぐ真下。水場はそこから2〜3分のところ。水量は多くなかったし、地図によっては水場マークが記されていないのもあるので、涸れやすいのかもしれない。テント場からは稜線や飯豊本山を望むことができ、最高のロケーションだ。
トイレはバイオトイレで、用を足した後は自転車にまたがってペダルをこぎ、おがくずを撹拌する。前に20回転、後に10回転。ペダルはかなり重たい。これがなかなかのハードワークで、こいでいる間にまた「お腹の調子が」という人もいるに違いない。
テント場で4人そろって夕食をとる。メニューはアルファー米とレトルトハヤシ、ポテトサラダ。初日のレトルトカレーがレトルトハヤシに変わっただけ。レトルトは重いし面白味に欠けるけど、いつでも抵抗なく食べられるため、ウチでは定番だ。
食事中、御手洗ノ池で出会ったご老人が、水場に行くのか近づいてきた。何か様子がおかしい。聞くと、ソールが両足ともはがれたという。あの時、布でシューズをぐるぐる巻いていたのは、雪渓での滑り防止ではなく、ソールがはがれたからだったのだ。足下を見ると布の上にガムテープが巻かれていた。それでも長持ちするはずないので、こんな時のためにと持参していた針金を差し上げた。齢は80とのこと。80歳で、しかも単独で飯豊を縦走するとは。今後も元気に歩き続けてほしい。
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ハクサンシャクナゲ。
キバナノコマノツメ。
マイヅルソウ。
ハクサンイチゲ群落。
マルバシモツケ。
ミヤマダイコンソウ。
ミヤマダイモンジソウ。
ミヤマクルマバナ。(トモパパ撮影)
見晴らし最高の門内小屋のテント場。
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門内岳から北股岳方向を眺める。
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8月6日(木)4日目 下山は丸森尾根で。下りも簡単にはさせてくれない飯豊。
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地神北峰と雲海。奥に見えるのは朝日連峰か?
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ブヨにたかられながら門内清水で水を確保し、下山をはじめる。5時10分。朝から快晴である。扇の地紙をスルーし、丸森尾根への分岐点、地神北峰に向かう。この間、花はあまりない。
地神北峰から丸森尾根を一気に下る。最初の30分ほどはけっこう急なザレ場で、速度をゆるめて歩いた。
丸森峰でいったん平坦になり、再び急坂を下る。樹林帯で日陰なのがありがたい。右手に、初日歩いた梶川尾根がよく見える。丸森尾根より梶川尾根のほうが急に感じる。
途中道が二手に分かれた。右の道は踏み跡が若干うすかったので、左のほうを選択。どこかで合流するのだろうと思っていたけど、その後合流点は確認できなかった。右の道はどこへ行くものだったのだろう?
8:20、夫婦清水着。今日も暑くて発汗量が多く、冷たい水を補給できるのが嬉しい。でもここは、涸れることもあるみたいだ。
林道が見え、さらに下ると天狗平ロッジの屋根が見えるようになってきた。ここからが実に長かった。トモパパやトモママの膝も、悲鳴を上げてきているようだ。この暑さでは、我々もこまめに休憩をとらないとしんどい。結局屋根が見えてから、3回も休憩をとり、1時間以上かかって天狗平に無事下山した。
どこまで見渡しても全山緑に覆われた飯豊。連峰全縦走ではないけれど、幾種もの花を楽しみながら稜線歩きを満喫することができた。花、草、木、水、雪、獣、そして虫。いつでもどこでも生命の息吹を濃厚に感じた山行であった。
新潟のおみやげ、笹だんご。
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登りで歩いた梶川尾根。
丸森尾根を下る。
夫婦清水。冷たい水で少し生き返る。
丸森尾根の登山口。もう暑さでふらふら。
新潟の淡麗辛口、麒麟山。
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