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観音峰

大峰山系2007年1月8日日帰り
行程[行動時間]
観音峯登山口〜観音平〜観音峰展望台〜観音峰〜三ッ塚〜法力峠〜五代松新道登山口〜(みたらい渓谷遊歩道)〜観音峯登山口[6時間20分]
メンバー:トモさん、キュウさん

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冬の大峰、お手軽トレッキング

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そういえばここのところ大峰へ行っていない。家から天川村まで2時間もかからないのに。この時期特別な冬山装備なしで行ける大峰の山となると……やっぱり観音峰になってしまうのです。

樹氷
山頂付近の樹氷


車で登山口を通り過ぎ、まずは洞川の有名な豆腐屋「山口屋」へ。豆腐を買うには予約が必要ということで寄ったのですが8時になっても店が開く気配がしません。冬場は休むのかな。まあいいやと登山口へと引き返します。


8時すぎに観音峯登山口に着くと新潟ナンバーの車が1台のみ。東屋の内部でテント泊しており、昨日は大峰のどこかの山をアタックしたのでしょう。トイレを済ましたりしているうちに1台また1台と車がやってきて、単独行者が登っていきます。


念のため簡易アイゼンを着けて登山開始。積雪は5〜10cm程度。ここ数日「爆弾低気圧」と呼ばれたわりには雪は積もっていません。気温がそんなに下がらなかったからでしょう。それにしても天気の回復が遅れています。どんよりとした黒い雲が空を覆い、杉林に入ろうものなら日暮れかと思うほどの暗さです。


小1時間で大きく立派な東屋に到着。腰壁があるので東屋と言えるか微妙ですが、開口部が大きく雪がたくさん中に入ってきています。中途半端な造りだな、とつぶやきたくなりますがタダで使わせてもらっているので文句は言えません。


やや急登を辛抱し、ススキが一面に見えてくると、もうそこは観音峰展望台。あいにくここと対峙する稲村ケ岳山頂と大日山は雲に覆われています。風も冷たいので先に進みます。ここからは山頂までは自然林となり、とてもいい雰囲気。小ぶりな霧氷がとてもきれいです。


今朝残したばかりの鹿の足跡がずっと前方へと伸びています。跡をたどっていくと時々アセビのような常緑樹の若い葉を食んでいることがわかります。こんな寒さの中わずかな緑だけで生命を維持しなきゃいけない鹿も大変でしょう。(全国的に鹿が増えているようなので実際大変かどうかはわかりません)


展望はないものの樹々の雰囲気がとてもいい観音峰山頂に着きましたが、相変わらず風が冷たいので、法力峠へ向けて尾根上を進みます。ここからは少し雪が多くなり、深いところで30cm、平均20cmくらいの積雪となります。風は常に同じ方向から吹いており、逆方向の斜面を少し下り、風を避けて昼休憩。それでも気温は低く、湯を沸かしてコーヒーをつくっても、のんびりしているとみるみるアイスコーヒーになっていきます。


手がかじかみ身体が冷えきると、平たんな道よりもむしろがんがんと坂を登りたくなります。登って心臓をばくばくさせて血流を促さないと、手のかじかみはいっこうに解消されないからです。立ち止まることなく黙々と進み、こんなに下ってもいいのかなと思うくらいの坂を下り切ったところが法力峠でした。


法力峠を下り、鐘乳洞入口がある五代松新道で洞川の旅館街にたどりつきます。住民も宿泊客の姿も見えず、街はひっそりとしています。朝立ち寄った豆腐の山口屋だけでなく、他の飲食店なども多くが休業しているかのようです。


立ち寄り湯の洞川温泉の横からみたらい渓谷遊歩道に入ります。植林がほとんどですが眼下を山上川が流れており、車道を歩くよりは退屈しません。


旅館街から1時間もかかってようやく観音峯登山口に到着。熱いココアを体に流し込み今日の行程は終了。爆弾低気圧は去ったようで、見上げると、雲の切れ間の向こうに空の澄んだ青を確認することができました。


登山口駐車場
東屋とトイレのある登山口駐車場。

登山口
駐車場から吊り橋を渡る。

登山道
東屋からの登り。どんよりとした天気。

観音峰展望台
凍ってバリバリのススキの中を抜けると展望台

山頂から
お天気が良いと真正面に稲村ヶ岳が見える。今日は雲がかかって最悪。

アセビ
雪の中にも緑が・・・

足跡
2匹の鹿の足跡。

山頂
観音峰山頂。展望はないが樹氷がきれい。

登山道
急な斜面を下ると法力峠

法力峠
法力峠で稲村ヶ岳へ登る道と合流

洞川
ひっそりとした洞川の旅館街。

Kyuki Woodcut site

久木朋子の木版画