双六岳・笠ヶ岳

北アルプス2012年8月20日〜23日テント泊
行程[行動時間]
1日目 新穂高登山者用無料駐車場13:40〜わさび平小屋15:20[1時間40分]
2日目 わさび平小屋5:30〜秩父沢6:30〜シシウドが原7:50〜鏡平8:50〜弓折岳鞍部10:05〜双六小屋11:40[ここまで6時間10分] 双六小屋13:30〜双六岳14:10〜双六小屋15:00
3日目 双六小屋5:30〜弓折岳6:30〜秩父平8:40〜笠新道分岐10:30〜笠ヶ岳山荘テント場11:45[ここまで6時間15分] 笠ヶ岳山荘テント場12:45〜笠ヶ岳山頂13:05〜笠ヶ岳山荘テント場13:30
4日目 笠ヶ岳山荘テント場5:00〜笠新道分岐5:45〜杓子平7:00〜笠新道分登山口9:50〜新穂高登山者用無料駐車場11:00[6時間]
メンバー:トモさん、キュウさん(報告者)

展望が楽しい槍・穂高の奥座敷。

混雑を避け、お盆の翌週にプラン。花のピークを過ぎているはずだが、天気予報は上々。槍や穂高の展望に期待を寄せ、新穂高温泉へと車を走らせた。

笠ヶ岳

最終日、杓子平から見上げた笠ヶ岳。


8月20日(月) 1日目

新穂高登山者用無料駐車場に着いたのはお昼過ぎ。ほぼ満車状態だが、2台分空きがあり駐車する。夏場は駐車困難とされるこの駐車場、この時間帯なら下山者が多いのでなんとかなるだろう。

蒲田川の右岸へと橋を渡れば、あとは林道を進むのみ。要所要所に道標があるので迷うことはない。大きなブナが木陰を提供してくれるところが、関西の林道などとは大きく異なる。また、フキも多い。

笠新道の登り口で休憩。ここには600m先のわさび平小屋から引いてきている水場がある。これから笠新道を登る者、あるいは降りてきた者にとって大変ありがたい水場となっている

わさび平小屋に着いて手続きを済ませ、テントを設営。沢のせせらぎが聞こえる素敵なところだ。水場は小屋の正面、道の向かいにある。沢水ではあるが近くで湧いているのであろうか、大変冷たい。もちろんそのまま飲むことができる。

わさび平小屋

わさび平小屋は水が豊富。流水で冷やした野菜や果物を販売している。


新穂高登山者用無料駐車場

新穂高登山者用無料駐車場。


笠新道の登り口

笠新道の登り口。


林道

わさび平へと続く林道。


わさび平小屋テント場

わさび平小屋のテントサイト。


8月21日(火) 2日目

鏡平

鏡平にて。池に映った槍ヶ岳。


昼間の暑さを避けるため、少し早めの5:30に出発。雲ひとつない晴天は歓迎なのだが、約3時間後、シシウドが原に着く頃にはすっかり暑くなっていた。

奥穂高岳

穂高連峰。


槍ヶ岳

槍ヶ岳。


右を見ればいやがおうでも槍ヶ岳が目につく。さらに振り返ると穂高もバッチリ。 鏡池の池畔や鏡平山荘前では双六方面から降りてきた人たちが休憩中。槍ヶ岳の影が映り込んだ鏡池の写真撮影に皆さん忙しそう。

シシウド

シシウド。


鏡平山荘から1時間頑張って登ると、ようやく主稜線の鞍部に出、双六小屋まであと1時間。稜線に出てからは花の種類がぐっと多くなった。花は散っていたが、クロユリと思われる株もたくさんあった。

お花畑

お花畑。ハクサンフウロやハクサンボウフウ。


トウヤクリンドウ

トウヤクリンドウ。


双六小屋のテント場は広いが、微妙に傾斜だったり、水の通り道になっていたりで、快適な場所はそれほど多くはない。既に15張程の先客があり、満足できない部分にテントを張らざるを得なかった。雨が降らなかったので問題なかったが、まとまった雨が降ったら若干困ったことになっていたかもしれない。

テント設営とラーメンの昼食後、双六岳をピストン。既にガスが出てきていて、展望は期待できない。それでもここまで来たのだからと、山頂に向かう。山頂手前で2組の雷鳥の家族と遭遇。経験上、雷鳥と出会うと9割位の確率で、天候は悪くなる一方。案の定、下りの途中で降ってきて一面真っ白になった。それでも弱雨だから良しとしよう。

秩父平

秩父沢。


シシウド平

シシウドが平。


鏡平

鏡平。


鏡平山荘

鏡平山荘。


弓折岳乗越

弓折岳鞍部。


リンドウ

リンドウ。


クルマユリ

クルマユリ。


双六小屋

双六小屋とテントサイト。


ライチョウ

砂浴びするライチョウの家族。


双六岳

双六岳山頂へ向かう。パラパラ雨が降ってきた。


双六岳と双六小屋

双六小屋、その向こうに鷲羽岳。午前中は毎日いい天気なのに午後は決まって悪くなる。


8月22日(水) 3日目

かぎろい

水晶岳方向のかぎろい。双六小屋前にて。


未明の3時を過ぎる頃、テント撤収を始める人がちらほら。テントから顔を出して見上げると、満点の星。天の川を見るのは久しぶりだ。

5時30分に出発し、笠ヶ岳に向かう。当然アップダウンはあるが、大したことはない。左手には常に槍と穂高があり、飽きることはない。

弓折岳

弓折岳からの道。


弓折岳、大ノマ乗越を経て、カール地形の秩父平へ。ここでゆっくり休みたかったが虫が多いのでスルーし、稜線に飛び出したところで休憩。ここからは小さいアップダウンだけだからペースがつかみやすい。

秩父平

秩父平から登りきったところでにわか雨。少し待ったらやんで虹がでた。


抜戸岩

抜戸岩を過ぎるともうすぐ笠ヶ岳山荘。


笠ヶ岳のテント場に到着。ここから笠ヶ岳山荘までは10分程登らなければならないので、先にテントを設営し、そのあと山荘で手続きを済ませた。

そして、山荘から笠ヶ岳をピストン。山荘から山頂まで片道15分程。あいにくガスで大展望を楽しむことはできなかった。

水は小屋前にもあるがそちらは雨水みたいで、雪渓の融水であるテント場直下の水場のほうが断然良い。冷たく美味しい。但し涸れてしまえば、山荘で貴重な雨水を購入することになる。

燕岳

双六小屋から眺めた燕岳。


ハクサンイチゲ

ハクサンイチゲ。


秩父平

秩父平。


笠ヶ岳

笠ヶ岳が見える。


笠ヶ岳山荘

笠ヶ岳が随分近くなった。テントサイトまであと少し。


テントサイト

笠ヶ岳小屋直下のテントサイト。


笠ヶ岳山頂

笠ヶ岳山頂からの眺め。昨日と同じく午後は天気悪し。


笠ヶ岳

抜戸岳付近から眺めた笠ヶ岳。


8月23日(木) 4日目

槍ヶ岳

テントサイトから眺めた夜明けの槍ヶ岳。


少しでも早く下山し、平湯あたりで風呂に入りたかったため、まだ薄暗い5時に出発。槍の向こうに広がる、かぎろいが美しい。

双六方面へ1時間稜線を戻り、分岐から笠新道を下りる。途中の杓子平は花が多く、休憩に最適。

笠新道分岐

笠新道分岐からどんどん下る。


シモツケソウ

シモツケソウとミヤマアキノキリンソウ。


エジシオガマ

エジシオガマ。


問題はここからで、下りが延々と続き、登るのよりはましとはいえ、かなり疲れてしまった。樹林帯で展望はほとんどなく、休憩に適した小広い場所もほとんどない。駆け足で下りて9時までに林道に下り立つ目算だったが、結果は10時。甘くはなかった。今日も朝から完璧な快晴で、林道から見上げる笠ヶ岳は、とても高くて大きく感じた。

富士山

富士山も見えた。


チングルマの綿毛

朝日に光るチングルマの綿毛。


ミヤマトリカブト

ミヤマトリカブト。


ウツボグサ

ウツボグサ。


笠新道登山口

笠新道登山口。


Kyuki Woodcut site

久木朋子の木版画