5:45、雲ノ平キャンプ場を出発。ほどなくスイス庭園に着き、水晶岳を見上げながらしばし休憩。言われてみればたしかにスイスの雰囲気がしないでもない(行ったことないけど)。
そこから小1時間かけて最初のピークである祖父岳に着く。展望は360°で、槍、穂高はもちろん笠ケ岳の均整のとれたシルエットもはっきり見える。トモパパ&トモママも今日ここまでは来ることになっているが、先を急ぐ。
イワヒバリ。ちっとも逃げない。
いったん岩苔乗越へと下り、鷲羽岳へと登り返す。岩苔乗越から三俣蓮華までは黒部源流域を通る近道もあるのだが、せっかくここまで来たのだからと、100名山である鷲羽岳を踏むことにしたのだ。にせピークにがっかりさせられながらも鷲羽岳に到着。知名度はいまいちで特にどうという山ではないが展望は良好である。富士山もかなたに見えた。
鷲羽岳への登り
鷲羽岳から三俣山荘へは一気に下るのみ。意外と長いガラ場の坂道ですれ違う登りの人が気の毒に思える。異常に大きな荷物のワンゲル部の諸君はなおさらだ。しかし彼等については「もう少し荷物少なくしたら。いったい何が入っているの?」と内心思わざるを得ない。先輩の装備を譲り受けたりお金がなかったりして新しいモノが簡単には買えない、という事情はたしかにあるだろう。しかし“ライト&ファースト”の世界的な潮流の中、その大きさはちょっとないんじゃない、と思う。そこまで伝統を受け継ぐことはない。むしろ必要最低限にシェイプアップされたストイックな山行こそ若者らしさではないだろうか。軽くなるほど確実に歩くのが楽しくなるし、部員も増えると思うんだけどな。
三俣山荘に到着。テント場の隅を借りて棒ラーメンで腹ごしらえする。それにしてもここの水場の水が今回一番おいしかった。甘くまろやか。まずい水というのはあまり意識したことないが、おいしい水というのはたしかにある。ここがそうだ。土質によるのだろうか。
ここから黒部五郎小舎まで2時間半。最後の力をふりしぼって、灼熱の太陽の下、黙々と歩く。道はふたつあり、ひとつは三俣蓮華岳を経ないで比較的水平な近道、もうひとつは三俣蓮華岳に登ってから下る道。後者のほうが30分余計にかかるのだが、せっかく来たのだからと後者を選ぶ。しかしながら三俣蓮華岳はどうということないピークで、休憩もそこそこに下り、ひたすら黒部五郎小舎をめざす。
このあたりが一番つらかった。日差しは強烈。首筋はみるみる真っ黒になり、ひりひり痛い。疲れも出てきて黒部五郎小舎が遠い。あとで知ったのだがこの日は全国的に酷暑で、京都は気温38°だったとか。それに較べればまだましというべきか。
ようやく着いた黒部五郎小舎テント場はお花畑に囲まれたのどかな雰囲気。ちょっと狭くて隣のテントとの距離が近かったが、19:30分には深い眠りに落ちてしまった。
中華丼とツナワカメサラダの夕食。 パック入りのツナは便利
(出会った鳥・動物) イワヒバリ、ウソ、ライチョウ
2日目へ ← → 4日目・5日目へ
|
スイス庭園
祖父岳から見た笠ケ岳
鷲羽岳の頂上付近にはイワギキョウとイワツメグサの群落
イワツメグサ
鷲羽岳から見た黒部五郎岳
クモマグサ
岩苔乗越へ向かう
三俣山荘と鷲羽岳を振返る
三俣蓮華岳山頂
子連れライチョウ。ちっとも逃げない。
黒部五郎小舎が見えてきた
黒部五郎キャンプ場。トイレは近くの小舎のを使用
|