歩行距離は今日が一番長い。ただアップダウンは多少あるものの高低差はたいしたことはない。全体的には下りが多い。
テント場を出発し、まずは黒部五郎カールへ。豊富な残雪を抱き、清冽な水がほとばしっている。本当はゆっくり休憩したいところだが、先が長いので、カールの横腹を山頂に向けて急登。30分ほどで稜線に出ると、そこに荷物をデポし、山頂をピストンしておく。やはり黒部五郎はカールが見どころ。山頂では写真を2〜3枚撮っただけですぐに降りる。
黒部五郎岳から立山・剣・後立山方面
ザックを回収し太郎平小屋への道を進む。赤木岳付近からはヘルメットを装備した沢屋さんの姿を見るようになる。黒部川奥ノ廊下の支流、赤木沢が右手にあり、おそらくここを遡行してきたのだろう。それにしても沢屋さんの登山道を歩くスピードは早い。装備が比較的軽いこともあるだろうが、これはどこで見かける沢屋さんにも共通して言える。
ここから道は単調で黙々と歩くだけだが、花は意外と多かった。特にハクサンイチゲ。北ノ俣岳を過ぎたところのハクサンイチゲの群落は、今まで見た中で最も大規模かもしれない。まるでカレンダーにでも使われそうな風景だ。
午後3時に太郎平小屋で、トモパパ&トモママと2日ぶりに再会し、お互いの無事を確認することになっている。雲ノ平から薬師沢小屋への急な斜面を、トモパパ&トモママは無事下れただろうか。1年前の甲斐駒ヶ岳山行で、今回と同じように登山口の北沢峠で合流しようと約束していて、実際合流してみたらトモママが転倒により手首を骨折していて大変だったことがある。それだけに気になるのだ。トモさんもやはり気になるようで、太郎平小屋に近づけば近づくほど歩くペースが自然に早くなっていった。
太郎平小屋到着。トモパパ&トモママはいない。小屋前のベンチで待つ。歩行距離からして我々よりだんぜん早く着いているはずなので、ちょっと心配になってきた。30分待ってもまだ来ない。これはいよいよ北沢峠の再現かと思いはじめた頃、トモパパ&トモママがひょっこり小屋の中から出てきた。聞けば昼前に着いて、ビールを飲んだあと昼寝していたという。まあともあれ無事でなりより。
あらためてベンチで4人揃ってビールで乾杯する。冷え冷えのモルツの生ビールだ。私は好んでビールは飲まないが、疲れていたし、このときは柿ピーとともにビールがおいしいと感じた。
1日目と同様、薬師峠の太郎兵衛平テント場へ移動。豊富な水で体を入念に拭き、最後の夕食をとる。明日下界に降りたら刺身を食べたいとか空揚げを食べたいとかそんな虚しい会話をしながら、目の前のレトルトを胃に流し込む。やがて日は暮れていった。
レトルトの親子丼と牛丼、高野豆腐、
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黒部五郎カール
カールから稜線にでるまでの急坂。 コバイケイソウの群落
稜線の取り付きにデポする
黒部五郎山頂
トウヤクリンドウ
沢登りで有名な赤木沢。赤木岳付近より
北ノ俣岳山頂に来た犬
ハクサンイチゲ群落
ミヤマキンバイ群落
太郎平小屋が見えてきた
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