西赤石山

愛媛県赤石山系2013年5月9日日帰り
行程[行動時間]
東平登山口6:15〜第三変電所建屋6:25〜一本松7:00〜兜岩8:30〜西赤石山8:50〜物住頭9:30〜西赤石山10:15〜銅山越11:20〜銅山峰ヒュッテ(柳谷コース)12:00〜第三通洞〜東平登山口13:15[7時間]
メンバー:トモさん、キュウさん(報告者)

「東洋のマチュピチュ」から「四国のアルプス」へ。

トモさんの高知個展開催とからめ、四国の山をいくつか登ることにした。まずは赤石山。

東平からみた赤石山

東平から見上げる西赤石山


前日、登山口である東平(とうなる)に到着。東平は、山裾の端出場とともに、隆盛をきわめた別子銅山の拠点であった場所。無料の東平歴史資料館を見学した後、付近の遺構を見てまわる。

東平

東平の最も大きな遺構である貯鉱庫。花崗岩で造られている


レンガ造りの貯鉱庫、索道基地、インクライン、マンプ(トンネル)、病院跡、学校跡など興味はつきない。娯楽場跡というのがあったが、どんな娯楽が提供されていたのだろうか。ちょっと気になる。これらの遺構群は東洋のマチュピチュと呼ばれているらしいが、それが言い過ぎかどうかはマチュピチュに行ったことがないのでわからない。夜は登山者用駐車場で車中泊。泊まったのは我々だけ。夜中にやってきて資料館横の駐車場でテント泊したパーティも一組あった。

登山口

登山口。この登山者用駐車場で車中泊した


朝6時頃になると登山者が続々と車でやってくる。せっかく前夜泊したのだからと急いで歩き始める我々。ほどなくして採鉱本部があった広場が現れる。そこから銅山越方向ではなく、左手の第三変電所建屋の脇から一本松へと向かう。

変電所

採鉱本部跡の近くにある第三変電所建屋


第三通洞

第三通洞。いわゆるトンネルだが、現在は閉鎖されている


ひと登りで一本松に着く。そこはかつて鉄道(トロッコのようなもの?)が走っていたところで、しばらくは水平に近い広い道を歩くことになる。レールのようなものは何もないのだが、山側は延々と土留めの石が積まれていて、とても重要なルートであったことがうかがえる。重機のない時代、すべて人力で積み上げたことを思うと、ただすごいとしか言いようがない。

鉄道跡

鉄橋跡。丸太が渡してあるが、朽ちて通行不可


らくちんな上部鉄道跡をずっと歩き続けたいが、それでは銅山峰ヒュッテに出てしまい高度もかせげないので、途中から兜岩に通じる急な斜面の道を登る。この道は登山者が少ないのか、細くて所々笹が茂っているところもある。しかし西赤石山の北面が正面に見える所があり、特にこの時期はアケボノツツジが山肌をピンクに染め、見応えがある。但し、今年は4月の寒気などの影響で、当たり年に比べると咲き具合は今ひとつとのこと。

アケボノツツジ

山肌を染めるアケボノツツジ


兜岩付近から尾根道となり、視界も良くなる。間もなく急な登りになるが、ほんの少しだけ。銅山越えからの道と合流し、左に行けばすぐに山頂に達する。

山頂

山頂まであと少し


山頂からは360°の展望が広がる。新居浜の街やその先の瀬戸内海もよく見える。ただ木陰なく、暑くてたまらない。

山頂

西赤石山山頂


山頂

山頂から西方向。一番奥にあるのが石鎚山


もうちょっと行ってみることにする。物住頭まで進んで、そこで東赤石山も行けそうだなと感じたら東赤石山までトライすることにした。

物住頭

物住頭へ向かう


いったん下って、下ったぶん登り返して、物住頭。このちょっと変わった名前は、昔得体の知れないものが住んでいると恐れられていたからだろうか。

物住頭

物住頭


で、物住頭から視線を進行方向に向けると、東赤石山はなかなか遠い。この暑さの中、東赤石山にタッチして戻ってくるのは相当辛そうだ。今回はここまで。

東赤石山

東赤石山までけっこうあるな


海

瀬戸内海を眼下に


下りは、西赤石山から銅山越を経て東平という一般的なルートをたどる。西赤石山から銅山越にかけ、次々に人とすれ違う。この区間は、東平からの人だけでなく、別子ダムがある日浦登山口からの人も歩くので当然ではある。

ツガザクラ

ツガザクラ


ヒカゲツツジ

銅山峰ヒュッテ付近にヒカゲツツジがいっぱい咲いていた


銅山越からさらに下ると道は二手に分かれる。ひとつは尾根道。もうひとつは銅山峰ヒュッテの前を通る谷間の道。水をたらふく飲みたかったので、水場がある後者を選ぶ。

ヒュッテ前を過ぎてすぐのところにある水場で小休止。そこにはシコクカッコウソウがいくつか咲いていた。サクラソウの仲間みたいだが、よくみるサクラソウよりもずっと大きい。

シコクカッコウソウ

シコクカッコウソウ


東平に下山。夏を思わせる暑い一日であった。明日の石鎚山に備えるため、今宵の車中泊地である道の駅「小松オアシス」へとすぐに車を走らせた。
Kyuki Woodcut site

久木朋子の木版画