奥駈縦走3(五番関〜阿弥陀ヶ森)
■大峰山系■2009年5月23日■日帰り 奥駈の男道 |
奥駈道の未踏部分は、大古の辻以南だけだったかな。おっと、山上ヶ岳あたりがまだだった。女人禁制だから、ここばかりはいつものように夫婦で歩くわけにはいかない。折しもトモさんは個展中。この機会に単独で歩いてしまおう。 |
女人結界が立ちはだかる山上ヶ岳周辺。(阿弥陀ヶ森分岐) |
五番関トンネルに着いたのは6時前。トンネル直前の林道脇にはすでに何台か車が停まっていた。釣り師だろうか。 10分程やや急な坂を登って五番関へ。女人結界の門をくぐって奥駈歩きが始まる。くぐってすぐに道は二手に分かれ、右は古道、まっすぐは新道。古道はあまり歩かれていないようだったので、新道を選ぶ。植林がちなのかと思ったが、意外にも広葉樹に包まれ、気分がいい。 前方に円盤のようなものがぶら下がっている。近づいてみるとそれは大きな中華鍋。つまりここが「鍋カツギ行者」である。 あえぐような急登もなく今宿跡を通過。フィックスロープの岩場が1〜2箇所あったが、緩い登りか水平なところが続く。洞川茶屋に着くと、下から人の声が聞こえてきた。洞川茶屋で奥駈道と洞川道が合流するが、山上ヶ岳をめざすほとんどの人は洞川道で登ってくるのだ。 洞川茶屋から山上ヶ岳にかけて、やや斜度が増す。岩場には階段が設置されていたりして、楽に歩ける。山上ヶ岳は登山の山というよりも、信仰の山。山ヤよりもお参りする一般の人が圧倒的に多い。そのため整備は十分と思えるくらいなされている。 西ノ覗岩。 山上ヶ岳到着。申し訳ないが仏教に対する信心はないので、大峯山寺の前を素通りし、奥駈道を南下。ブナを中心とした気持ちのよい道はなおも続く。夏鳥なども盛んに鳴くようになってきた。ツツドリ、ジュウイチ、コルリ、オオルリ、ルリビタキ、メボソムシクイ…。 小笹宿に着いて、思わず「いいねえ」とつぶやいた。稜線上なのに清水がサラサラと流れ、すぐ近くでコマドリが美声を聴かせてくれる。最も気に入ったのは、古い時代に築かれた石垣で斜面が段々畑のようになっていて、最高のテン場になっていることである。女人禁制でなければ、トモさんとテントを張ってまったり過ごすだろうに。たった一人で夜を越すのには、ちょっと怖いかも。お堂があるし、何となく人のにおいがするというか、霊気があるというか…。でも霊気って、いったい何だろう。 小笹宿を出発。ゆっくり歩いたが30分前後で目的の阿弥陀ヶ森分岐に着いた。南の女人結界である。ここからは、トモさんも大普賢岳に向けて歩いたことがある。残す南奥駈縦走をいつ頃しようか、そんなことを考えながらくるりと向きを変え、往路を引き返した。 |
五番関トンネル西口。 鍋カツギ行者。 泥辻茶屋。 油こぼし。 山上ヶ岳の大峰山寺。 山上ヶ岳から小笹宿にかけての道。 小笹宿のお堂(赤)と避難小屋。 小笹宿のテント適地。 |
山上ヶ岳山頂から見た稲村ヶ岳。 |