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大普賢岳

大峰山系2006年6月3日〜4日キャンプ場テント泊
行程[行動時間]
1日目 和佐又山周辺でバードウォッチング [2時間]
2日目 和佐又キャンプ場〜和佐又のコル〜底無井戸手前〜鷲ノ窟〜大普賢岳〜鷲ノ窟〜和佐又のコル〜和佐又キャンプ場(バードウォッチング)[6時間半]
メンバー:トモさん、キュウさん

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近畿屈指のバードウォッチングエリア、
和佐又&(大普賢)へ。

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毎年恒例の(といっても昨年スタートしたばかりだが)初夏の和佐又バードウォッチングキャンプを敢行する。昨年は車中泊で1日目西大台、2日目和佐又とウォッチングしたが、成果はもうひとつ。そのリベンジだ。
目標はコルリの「初ゲット」。我々の言う初ゲットとは、ある種類の鳥を初めて見ること。決して捕獲することではない。この瑠璃色の鳥は、同じ瑠璃色のオオルリとは違い、このような高所でしかもこの季節でないと見ることができず、声はともかくその美しい姿は一度も見たことがない。

6/3(土) 1日目 久々の和佐又キャンプ。もどかしく陽は暮れて。

当初、天気予報により日曜日のみ日帰りする予定であった。が、朝起きると晴れている。あれれ。「こんな日に行かずしていつ行くの!」とトモさんにせきたてられ、急いで出発の準備をする。道中のスーパーで食料を仕入れ、和佐又ヒュッテに昼すぎに到着した。駐車場は満員御礼。下山して帰り支度をしている人もいた。ヒュッテ前ではなく高台の上のテント場にテントを設営。木立の中でなぜか自衛隊の小隊が幕営していた。

「ヒ、ヒ、ヒ、ヒ、チュンチュンチュンチュン」おお、テントを張ったすぐそばの茂みでキビタキの声に混じってコルリが元気よく鳴いているではないか。さすが和佐又。いきなり目標達成かとほくそえんだが、そううまくはいかない。コルリはウグイス同様茂みの地面近くを好み、とにかく姿を見るのが難しいのだ。2時間近く周囲をうろうろしながら目を凝らすも断念。本日は諦めることにする。昨年はコマドリもよく鳴いていたが、今年は少ないようだ。キビタキも見れなかった。

夕刻、炭で焼き鳥やイワシを焼きつつ、トモさんと明日の協議をする。「必死に見ようとするから見れないんじゃない?」「力むほど、見れなかったときガックシ度が大きい」「だいいち必死になるのは格好悪いよ。大人なんだし」 ということで、明日は「別に見たかないもんね、そっとしておいてね」という態度をにじませつつ大普賢岳をピストン。そのほうが見れる可能性が高いハズ、というまったく根拠のない結論に達した。そして運良くコルリに出会っても「ああそんなとこにいらしたのですね」とあくまで大人の態度を貫くことにした。
9時頃、和佐又の夜の歌い手、コノハズクの調べを子守唄に就寝ス。

和佐又ヒュッテ
満開の花を咲かせていた
和佐又ヒュッテ前のトチノキ


テントサイト
昨年きれいなトイレができ、
和佐又キャンプ場はさらにランクを上げた


サラサドウダン
サラサドウダン満開

ヤマツツジ
ヤマツツジ

6/4(日) 2日目 大普賢へピストン。初ゲットラッシュに、沸く。

6時、登山開始。和佐又のコルからは、以前キビタキがたくさんいたので無双洞方向に進む。時折近くでコルリがさえずるのでそちらのほうへ目をやるが、やはり茂みの中で、姿は確認できず。でも深追いはしない。今日は登山をするのだ。コルでは迷彩服に身を包んだバードウォッチャーが1名いた。

やがて底無井戸手前で右に折れ、鷲ノ窟へ登りつめる道を行く。つづら折れでやや急だ。あれっ? 目の前の地面で何かが動いた。コルリだ! すぐに飛び立ったが見通しのいい樹の枝に止まった。やったあ!コルリだ、コルリだ。双眼鏡でもしっかり確認。顔を思いっきり上げてさえずる姿が美しい。陽光で背中の青も輝いている。10分間は見ただろうか。もう満腹。じゃあまたいつかね、と先を進む。作戦成功。欲のない(ように装おう)人に幸運はやってくるのだ。

鷲ノ窟に飛び出し、左折するとあとは山頂をめざすのみ。はしごや桟橋などかなり整備されているが、ちょっと危険なところも時々ある。山頂が近づいてきた頃、ジュウイチの「ジュウイチッ、ジュウイチッ」と元気なさえずりが聞こえる。そういえば最近テレビで石田純一を見なくなったなあとぼんやり考えていると、枯れ木の枝先にジュウイチがとまっているではないか。実はジュウイチも我々は見たことがなく、思いがけない2つめの初ゲットとなった。その付近では、樹の根元をさかんにつつくオオアカゲラもしっかり確認できた。

興奮さめやらぬまま9時15分大普賢岳山頂に到着。先に進んで水太覗に下り、風を避けて水太を覗かないほうの斜面、つまり西側斜面でルリビタキのさえずりに耳を傾けて昼食をとる。30分ほどゆっくりし、今日の収穫に満足しつつおもむろに下山する。

和佐又のコルまで戻ってベンチで休憩。するとすぐ近くで今度はアカショウビンの声がする。むろんアカショウビンなんて見たことはない。というか全身オレンジ色に染まるアカショウビンを見るなんて夢のまた夢。予想もしなかった。「コルリ、ジュウイチを見たうえに、アカショウビンまで見てしまったら、私死んでしまいそう」とトモさんも興奮。しかし次の瞬間チラッと飛び立つ影だけを残しどこかへ行ってしまった。初ゲットはならなかった。

12時半、テントに戻りコーヒーを飲みながらまったり過ごす。来年もこの時期ぜったい来ようと話す。次のターゲットは、もちろんアカショウビンだ。

(鳴いていた鳥)
コルリ、キビタキ、ウグイス、カラ類、カケス、ジュウイチ、コゲラ、エゾムシクイ、センダイムシクイ、ヤブサメ、ツツドリ、カッコウ、ホトトギス、トラツグミ、コノハズク、アカショウビン、オオルリ、ルリビタキ、コマドリ
(見た鳥)
コルリ、ルリビタキ、ジュウイチ、ウグイス、カラ類、オオアカゲラ、コゲラ、カケス、キセキレイ

山道
歩き出してすぐに、コルリ、オオルリ、コマドリ、アカショウビンなどたくさんの鳥のさえずりがきこえてきた

コルリ
コルリ(矢印の先)

ギンリョウソウ
この時期毎度毎度のギンリョウソウ

ハシゴ
後半はハシゴが多くなる

山頂付近
ルリビタキが飛び交う水太覗付近

笙の窟
下山中ポツポツ降ってきたので笙の窟で雨宿り

シロヤシオ
終わりかけのシロヤシオ。でもキレイ

イワカガミ
イワカガミは山頂手前に多かった

Kyuki Woodcut site

久木朋子の木版画