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地蔵谷・木梶山・桧塚奥峰

台高山系2007年11月17日〜18日山中テント泊
行程[行動時間]
1日目 木梶林道「鳴滝」駐車スペース〜地蔵谷出合〜(地蔵谷)〜台高縦走路(赤ゾレ山付近)〜国見山〜明神平[4時間30分]
2日目 明神平〜桧塚奥峰〜明神平〜馬駈ヶ辻〜木梶山〜木梶山登山口〜木梶林道「鳴滝」駐車スペース[6時間]
メンバー:トモさん、キュウさん

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落葉踏みしめ、癒しの渓と尾根をゆく

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近年とみに注目されるようになった木梶山周辺。このエリアは初めてということもあり、オーソドックスに、地蔵谷の遡り、木梶尾根を下ることにする。といってもテント泊を楽しみたいので、明神平まで足を伸ばして幕営し、ついでに桧塚奥峰もピストンすることにした。紅葉を楽しむには時期的にちょっと遅いだろう。

地蔵谷
紅葉も終わりの地蔵谷。

11/17(土)1日目 誰が呼んだか「癒し渓」の地蔵谷から、明神平へ


高見トンネルを三重側に抜けてすぐ右手にある道へ車を走らせる。林道はしばらく行くと地道となり凹凸があるため、車高の低い車はちょっと辛いだろう。20分ほどで通称鳴滝駐車場と呼ばれる、3〜4台の車を停められる所に着く。すでに車が1台駐車していて、傍らで見覚えのある方が出発の支度をされていた。ネットの「囲炉裏村」でしばしば山行報告を拝見するpiccoloさんだ。聞けばゼエノ谷を歩かれるらしい。我々もいずれゼエノ谷に行ってみたいと思う。


駐車地から林道を10分も歩けば道路右側に人の背丈くらいの大岩があり、これが地蔵谷に取付く目印となる。ここを下って木梶川を渡り南東へと伸びる地蔵谷の沢歩きが始まる。しかしいきなり大岩がかぶさるようにあるため高巻きを余儀無くされる。


高巻きを終え沢に下ると、あとは楽々と沢歩きが楽しめる。水量は多くなく傾斜もゆるいため、右岸へ、左岸へと、歩きやすいところを自由に歩けばいい。何より自然林の風情が素晴らしく「癒し渓」と言われるのも納得できる。


ほどなくして左から沢が合流していて、ここが「二股」かと思ったが、本当の二股はもう少し先。はっきりした右岸の踏み跡に導かれて直進するのが正解だ。


小さいけれど通称「地蔵大滝」を過ぎてから本当の二股に到着した。ネットでみなさん口を揃えて言うように、テント泊したいと思わさせられるのどかな場所だ。


ここから右の沢を進めば比較的短時間で台高縦走路と合流するが、今日は左の沢を登る。通称「地蔵大岩」を右に見てなおも進むと、やや傾斜がきつくなり、源流が近いことを知る。完全に水がなくなると縦走路まではあと少し。ただし、傾斜はさらにきつくなる。


ひょっこりと赤ゾレ山近くの台高縦走路に飛び出す。息を整えてから明神平に向けて出発。国見山を越え明神平に着いたのは、まだ陽も高い午後2時だった。


太陽は出ていてもさすがに風が冷たいのですぐにテントを設営。明るいうちに夕食のシチューをつくり、薪を拾って焚火を楽しむ。そして冷え込みがきつくなる前の19時に就寝してしまった。



駐車スペース
駐車スペース。

岩
地蔵谷に取付く目印の岩。

地蔵谷
地蔵谷。

 二股付近
二股付近。

 ミソサザイの巣
地蔵大岩のミソサザイ(?)の巣。

台高縦走路
赤ゾレ山付近の台高縦走路。

 シチュー
夕飯のシチューづくり。

11/18(日)2日目 予想以上にいい感じの木梶山周辺
木梶山
木梶山。


朝4時に2人とも目がさめる。パラパラとテントを叩く乾いた音がする。霰(アラレ)だ。風も強い。どうも今日の天気は良くなさそうだ。それでもこのまま下りるのはもったいないので、桧塚奥峰まで往復することにした。


6:15にテント場を出発し、2時間と少しで桧塚奥峰までを往復したが、終始ガスがたちこめて視界が悪く、天気は良くなるどころか悪くなっているような気がする。風もいっそう強くなってきた。(帰宅後、近畿地方木枯らし第1号であることを知る) 寒さと風のため下山中にゆっくり休めそうもないため、昼食のつもりにしていたラーメンをテントの中でつくって食べ、テントを素早く撤収し、9:45に明神平をあとにする。


水無山から稜線に立てば、ますます風はきつい。馬駈ヶ辻で右折し木梶山方面へ。この尾根はなだらかで、ヤシオ、アセビ、コナラ、ブナ、リョウブといったさまざまな木がいいかんじにまばらに生えていて、とても気持がいい。天気のいいときにまた歩きたいと思う。実際確認はしていないが「水場まで3分」という標識があったので、この付近でテント泊してみるのもいいかもしれない。


木梶山までところどころ展望が広がる場所がある。国見山など縦走路方面や、眼下のゼエノ谷方面を写真におさめる。ただし風がきついせいでブレていないか気になる。


地図には一部ブッシュと記されているが、終始快適に歩き、木梶山に到着。展望はないものの落ち葉が敷き詰められた落ち着ける山頂だ。


山頂を越え尾根を下る。気持良く下っていけるが、途中で尾根を左に折れ、山腹を歩くようになると傾斜がきつくなる。また、植林がちになってくる。完全に植林帯になったと思ったら、ほどなくして林道に降り立つ。駐車地まではもうそれほど歩かなくてもいいだろう。昨日の谷歩きと今日の尾根歩きですっかり癒され、足取り軽く、車のほうへと歩き出した。


(出会った鳥)
アトリ、マヒワ、ウソ、オオアカゲラ、
コゲラ、ツグミ、ゴジュウカラ


明神平
すっかり葉を落とした明神平の林の中にテントを張る。

桧塚奥峰
視界ゼロの桧塚奥峰。

馬駈ヶ辻
馬駈ヶ辻。

尾根道
木梶山へ向かう尾根道。

ゼエノ谷方面
ゼエノ谷方面。

稜線
木梶山の稜線では立っていられないくらいの風が吹く。

下り
下りのやせ尾根。

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久木朋子の木版画