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北八ヶ岳・蓼科山

八ヶ岳2006年10月8日〜9日キャンプ指定地テント泊
行程[行動時間]
1日目 ピラタスロープウェイ山頂駅〜北横岳〜亀甲池〜双子池 [3時間45分]
2日目 双子池〜雨池峠〜ピラタスロープウェイ山頂駅(山麓駅から車で移動)蓼科山7合目一の鳥居登山口〜将軍平〜蓼科山山頂〜将軍平〜一の鳥居登山口 [6時間20分]
メンバー:トモパパ、トモママ、トモさん、キュウさん

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紅葉と池と月の、北八ツ秋景色

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トモパパからの「紅葉の北八ツに行かないか」の誘いにのる。昨夏、甲斐駒ヶ岳の帰りに白駒池周辺へは足を伸ばしたが、蓼科山あたりは初めてだ。またこの時期に遠出するのも初めて。防寒対策をしっかりして出かけた。

双子池の紅葉
双子池(雌池)の紅葉
10/8(日) 1日目 池のほとりで北八ツの夜はふける

予定では前日に登っているはずなのだが、天候が今ひとつはっきりしないので、前日は車の移動のみにあてた。あとで知ったのだが、その日は白馬で7人パーティーが遭難。4人が凍死した。標高で500m位低いとはいえ、のんびり紅葉を見ながら歩くのが今回の目的なので、結局はいい選択だったと思う。

初日に泊まった蓼科湖畔のキャンプ場をあとにし、ピラタスロープウェイ山麓駅へ。ここからは100名乗りロープウェイが一気に標高2200mの山頂駅へと運んでくれる。搭乗は観光客がほとんどで、テント装備の我々はちょっと場違いのようで気がひけた。

山頂駅付近は坪庭といい、岩とハイマツが入り交じる庭園的雰囲気。寒い寒いと言いながら観光客が嬉しそうに写真を撮っている。北横岳へ向かう。山頂直下の北横岳ヒュッテまでは観光客もけっこう行くようで、何度も追い抜かしたりすれ違ったりで、なかなかやっかいだ。

北横岳ヒュッテを過ぎると「観光客はここから先は安易に行かないように」との旨の看板が立ててある。10分程で北横岳山頂に到着。風がかなり強い。写真を撮ろうにも風のあまりの強さにカメラを静止して持つことができない。そのうえ冷たい。この日も穂高で2人ほど遭難死している。山頂を早々に退散し、亀甲池方向へ下ることにした。

少し下って樹林帯に入ると、風はうそのようにやむ。また下れば下るほどナナカマドなどの紅葉がちらほら見られるようになってきた。北八ツならではの美しいコケも下るごとに数を増し、写真におさめる。

北横岳から標準タイム通りの1時間で亀甲池に着く。想像していたほど派手な紅葉ではないが、それでも静かな水面に落とす朱色が美しい。ほとりで昼食にすることにしたが、寒いのであまり長居はできなかった。

亀甲池から約30分、少し登ってゆるやかに下ると双子池(雌池)に着く。テントサイトは水際の砂地と樹林の中にぽつぽつとあるようだが、砂地のほうはこのところの雨で池の中に水没。となるとサイトは豊富にあるわけではない。今回は早い時間に着いたので(13:45)良かったが、もう1時間遅かったら果たしてサイトを確保できていただろうか。

トモパパとトモママは双子池ヒュッテ泊まり。本日の客は少ないらしく個室があてがわれたようだ。そこで担ぎあげてきた伏見の酒を携え、個室をちょっと見学。900mlの酒はあっという間に大半がなくなった。

水をくんでテントに戻る。テント泊の人間の飲料水は、双子池のひとつ、雄池の水だ。この池は水筒とカメラ以外のものを持って近づくことは許されず、清浄が保たれている。何でも保健所の水質検査により安全性も保証されているという。

夜は月がことのほか美しかった。中秋の名月から3日過ぎてはいたが、丸く、白く、何より大きかった。月光に照らし出された針葉樹と池の水面、そして秋の月そのものがもたらす厳かな美しさは、この古びたデジカメの画像ではとうてい再現できていないであろう。


月
雌池に映る月光

坪庭
ロープウェイ山頂駅付近。観光客が多い。

北横岳
北横岳山頂に近づくにつれ風が強くなる。

ゴゼンタチバナの実
ゴゼンタチバナの実

北横岳からの下り
北横岳からの下り。コケが美しい。

シラタマノキ
シラタマノキ。まさに白い玉。

亀甲池
亀甲池に着いた。

亀甲池
亀甲池の紅葉

双子池の雌池
双子池の雌池。ここの周りがテント場。

双子池の雄池
双子池の雄池。ここが水場。

双子池ヒュッテ
双子池ヒュッテ

10/9(月・祝) 2日目 手軽に登れる諏訪の富士は、大展望が魅力

今日はいったん下山して車で移動し、蓼科山に登るので、ヒュッテから林道を歩いて最短ルートでピラタスロープウェイ山頂駅に戻る。林道とはいえ見晴しはよく、赤や黄のグラデーション的な紅葉の美しさなら昨日よりいいかもしれない。


ロープウェイで一気に山麓に下りて、蓼科山の登山口へと移動。途中、楽しみにしていた「山の駅」という喫茶のソフトクリームを賞味する。一番人気のブル−ベリ−味はあっさりしていて上品な味わい。写真を撮る前にパクついたのがちょっと悔やまれる。

ソフトクリーム
ブルーベリーソフトクリーム

車で移動すること約30分、夢の平林道の途中にある一の鳥居登山口は文字通り鳥居があり、山頂に神社があることを教えてくれる。また古くからの参詣道だからだろう、登山道も大半が幅広い。また諏訪富士と呼ばれるだけあって、円錐形の山容は、どこから見ても印象的だ。


どうもこの山はかなり大衆的なようだ。祝日ということもあるが、子供連れのファミリー、70歳を越えていると思われる高齢者、初心者ハイカー、さまざまな人たちが上をめざす。


歩きはじめてから2時間、ほぼ直登する道にうんざりする頃、蓼科山荘のある将軍平に着く。ここから山頂へはあと30分だが、それまでとうってかわって急な岩場の嫌な道となる。雨で岩が濡れている場合はいっそう注意を要する。それでも小さな子供も登るくらいだからたいしたことはないのだが。


さらに上にある蓼科山頂ヒュッテが見えてくるともうそこは蓼科山頂だ。この山頂はかなり個性的。約100mの平らな円形をしており、中央がやや凹んでいるので空に浮かぶ円形劇場のよう。だから眺望も360°。北アルプスから南アルプス、八ヶ岳連峰、浅間山、上越方面、すべて見渡せる。最も印象的なのは初冠雪の北アルプスの山々で、雲一つない青空とのコントラストが冴えている。誰もが飽きることなくそれらの山々を眺めていた。


名残りは惜しいが山頂を辞し、登山口へ来た道を引き返す。かなりゆっくり歩いたが登山口まで1時間20分位で下山。こんな短時間で百名山のひとつに登ることができ、しかも眺望抜群なのが、この山の人気の要因であることを実感した。


15:00までに山行を終えたが、白樺湖畔の温泉に入り、キャンプ場のバンガローでもう一泊することになった。今年最後の信州。もう少しここ蓼科の高原の空気に触れていよう。


キノコ
帰りにジコボウなどいろいろなキノコを買う。

ハチノコ
まだ動いてるハチノコ。缶詰もあった。

林道
林道の紅葉

林道からみた紅葉
林道から眺めた紅葉

蓼科山
ロープウェイから眺めた蓼科山

登山口
一の鳥居登山口

急登
急な登りがずっと続く。

岩場
将軍平からは岩場の急な登り。

山頂
広い蓼科山頂

穂高、槍
初冠雪の穂高、槍。眺めがサイコー。

立山、剣
立山、剣




蓼科の地酒
帰ったら蓼科の地酒ダイヤ菊をキノコ鍋で晩酌。

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