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神仙平〜仏生ヶ岳〜孔雀岳

大峰山系2007年4月29日〜30日山中テント泊
行程[行動時間]
1日目 王子緑化私設林道車止めゲート〜林道終点〜カラハツソウ谷〜神仙平〜舟ノ垰〜楊枝ノ森〜仏生ケ岳南側テント場[7時間]
2日目 仏生ケ岳南側テント場〜孔雀岳〜仏生ケ岳南側テント場〜楊枝ノ森〜七面山東峰・西峰〜アケボノ平〜七面山登山口〜王子緑化私設林道車止めゲート[7時間]
メンバー:トモさん、キュウさん

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奥駈核心部をつまみ食い。変化の豊富さに、満足

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七面山アケボノ平に立つと、いやがおうでも眼に飛び込んでくる、楊枝ノ森〜釈迦ヶ岳のスカイライン。見るからに気持ち良さそうなトレイルだ。登山道はないけれどカラハツソウ谷から神仙平を経て奥駈核心部へと上がり込み、奥駈核心部の雲上散歩を楽しんでみよう。

カラハツソウ谷
カール状のカラハツソウ谷。草地のところが神仙平。稜線が奥駈。

4/29(祝)1日目 奥駈めざして涸れ沢を登る。


県道235号の最奥の集落、篠原を過ぎ、さらに奥へと車を進める。ちなみに江戸花火「鍵屋」の創始者は、この篠原の出身者らしい。林道篠原線が尽きるところにゲートがあり、車の進入はできない。ここから先は王子緑化私設林道、登山者は王子緑化の厚意で歩かせていただくわけだ。


9時前に歩き出し、七面山登山口に着いたのは10時。さらに1時間林道を歩く。林道終点からは、まっすぐ奥駈の稜線につき上げているカラハツソウ谷を登っていく。谷といっても水はない。土石流後のような石だらけの歩きにくいガラ場だ。


1時間と少し歩いたところで右手に神仙平があらわれる。予想以上に広大な草地だが、完全なフラットな場所は多くはない。草原の傾斜地と言ったほうがいいだろう。鹿の糞がいたるところにあり、鹿の遊び場になっているようである。
神仙平
神仙平でお昼ご飯。

神仙平からはかなり急な潅木帯となる。当然テープなどはないが、逆にどこをどう歩いてもかまわない。登りきれば必ず奥駈に合流するのだから。傾斜がきついのでジグザグに登高する。約1時間でようやく奥駈に合流。仙宿跡あたりに出たみたいだ。時間は13:30。歩き出して5時間近くもかかってしまった。


奥駈を南下する。それまでのしんどさに較べれば、この道は高速道路のようなもの。連休のなか日とあって縦走中の登山者とも時々すれ違う。


間もなく舟の垰へ。まさに舟底のような地形をしており、たしかにテント適地である。ただし水はない。地面もちょっとでこぼこしていた。


舟の垰から楊子ノ宿小屋へは地図のコースタイムよりも早く、30分ほどしかかからなかった。ログハウス風の楊子ノ宿小屋は2階建てでかなりの人数が泊れそう。テントも周囲に3〜4つは張れそう。 また小屋直前に笹原があり、ここにもテントが張れそう。ここは七面山の荒々しい南壁が迫る、絶好の撮影ポイントでもある。


荷物をおろし、水くみに出かける。水場は小屋裏から4分と書いてある。実際は2分くらいしかかからなかった。途中テープがたくさんつけてあるので迷うことはないだろう。水はしっかり出ていた。冷たくておいしい水だった。


再び歩きだす。水が確保できたので、孔雀岳までに適当なところがあれば、そこでテントを張るつもりだ。仏生ヶ岳を過ぎてすぐのところに(道は仏生ヶ岳ピークを巻いている)いいところがあった。幕営地決定。テント設営後、すぐにレトルトカレーの夕食をとり、ラジオを聞きながらのんびり過ごした。昼間はかなり気温が上昇したが、日が暮れると寒い。シュラフにくるまり、20:30就寝する。



ゲート前
ゲートより少し手前の林道わきに車を停める。

七面山登山口
林道を一時間以上登ると七面山登山口。ここからさらに一時間林道歩き。

カラハツソウ谷
涸沢のカラハツソウ谷。

急な斜面
神仙平からはさらに急な斜面を登る。

 奥駈道
急な斜面を登りきってやっと奥駈にでた。

 舟ノ垰
舟ノ垰。

楊子ノ宿小屋
楊子ノ宿小屋。この日も何組か泊まる様子。

 水場
楊子ノ宿の水場。

 テント場
仏生ヶ岳を過ぎたところにテントを張る。

4/30(休)2日目 夏のような陽気。稜線をかける風が心地よい。
七面山
七面山南壁


稜線上なので4:30頃から外が明るくなってきた。テントから顔を出すと、大台ヶ原方向の山際が赤色に染まっているのが見える。「かぎろい」だ。まるで夕焼けのようである。


菓子パンで簡単に朝食をとった後、5時過ぎから、空身で孔雀岳をピストンする。途中テントを張るのによさそうな場所が何カ所かある。孔雀岳の少し手前には水場「鳥の水」がある。昨日すれ違った人から「涸れていた」と聞いていたが、しっかり出ていた。間もなく孔雀覗に到着。眼下の巨石を眺めて引き返し、孔雀岳ピークに立ち寄る。ただし展望はない。


テント場に戻り撤収。今日は暑くなりそうなので、すみやかに下山する。楊子ノ宿小屋を過ぎ、楊枝ノ森付近までもどる。ここからは奥駈から左にはずれて七面山に向かうのだが分岐点がよくわからない。地図では楊枝ノ森のピークよりも手前でピークを巻くように道があるようなのだが。しかたない、骨が折れるがいったん楊枝ノ森のピークへ登る。登りきったところに七面山への道を示す真新しい金属製の道標があった。
楊子ノ森
楊子ノ森。巻き道がわからないので上まで登る。

七面山への約1時間の道のりは快適である。地図には踏跡程度とあるが、テープも豊富にあり、尾根さえはずさなければ迷う心配はないだろう。原生林の風情もたっぷりある。


七面山東峰および西峰は展望もないので休憩をとらず、そそくさとアケボノ平にすぐに向かう。楊枝ノ森〜釈迦ヶ岳のスカイラインを展望する場所にドカッと腰を下ろし、早めの昼食をとる。「テント張ったのあのあたりかなぁ」「仏生ヶ岳はけっこう目立ってるなあ」などと、ついさっきまで歩いていた場所を客観的に振り返れるのが面白い。
釈迦ヶ岳、仏生ヶ岳
仏生ヶ岳から釈迦ヶ岳の稜線。

あとはひたすら下るのみ。10時過ぎにアケボノ平を出て、七面山登山口に降り立ったのが12:30。そこから林道を歩いて車のところに戻ったのが13:30。雲ひとつなく、初夏のような暑さに、くたくただ。沢で顔を洗ったり、コーヒーをいれて、山行をしめる。変化に富んだ小気味よい山歩きとなった。



朝焼け
テントから眺めた夜明け。

孔雀覗
孔雀覗から見た五百羅漢などの巨石。

孔雀岳ピーク
孔雀岳ピーク。展望はない。


楊子ノ森ピーク
楊子ノ森ピークに七面山への道標があった。

七面山への登山道
七面山への尾根道。

アケボノ平
アケボノ平。

七面山からの下り道
七面山からの下り道。シャクナゲが多いが花はまだ。蕾も見られなかった。

車止めゲート前
車止めゲート前の河原でほっと一休み。

Kyuki Woodcut site

久木朋子の木版画