今日は最初の目的地である雲ノ平へ。太郎平からいったん黒部川へと下り、雲ノ平へと登り返す。ただそれだけのことだ。だが雲ノ平への登りで、地図上ではちょっとしか距離がないのに2時間もかかっている部分がある。相当の急登なのだ。暑くなる前に早く登ってしまいたい。
6時すぎトモパパ&トモママと合流し、さっそく黒部川が流れる薬師沢小屋へと下る。7時にもなっていないのにもう暑い。あちこちから水が湧いていいるが道は狭く虫も多いので、休憩に適したところはあまりない。どんどん下る。花は種類が多い。キヌガサソウなどカメラに収めつつなおも進む。
ちょっとした橋がかかった薬師沢出合で休憩。なおも歩く。このあたりはカベッケが原という湿潤な傾斜地で植生保護のためかところどころ木道がある。もうすぐだろうもうすぐだろうと思うのだが、なかなか薬師沢小屋に着かない。いったんヤセ尾根のようなところを急激に下ったかと思うと、いきなり目の前に薬師沢小屋の屋根がとびこんできた。
薬師沢小屋の前を通り、橋を渡って河原に降り大休憩。黒部川の清流で手や顔を洗って過ごす。また汗をかくのだと思うと、ずっとここでくつろぎたい気分だ。薬師沢小屋に泊まる半数は釣り客と聞くが、この時間では当然のことながら釣り師も登山者も出払って閑散としている。
重い腰を上げ、雲ノ平への登りにとりかかる。いきなり木の根っこをつかみながらの急登。樹林帯で視界はなく休憩できそうなスペースもない。こんなのが2時間も続くことを思えば気が重い。30分ごとに小刻みに休憩。無心に登り続ける。
幾分ゆるやかになり木々もまばらになってきた。そしてついに雲の平へと続く木道に達した。ここからは高原漫歩。ほぼ水平の木道を軽くなった気分で進むだけだ。まず目に飛び込んできたのは水晶岳(黒岳)。双耳峰の存在感ある山だ。右手には槍ヶ岳の穂先も見えてきた。そうこうしてるうちにアラスカ庭園に到着。木の種類や立ち具合とかがたしかにアラスカに似ている(行ったことないけど)。
ここから雲ノ平山荘まではずっとお花畑が続く。薬師岳、水晶岳、鷲羽岳、黒部五郎岳、ずっと遠くに立山・剣岳も見える。「来て良かった。興奮してきた」と、トモママも満足そう。2日間、ここでゆっくりお過ごしください。
雲ノ平山荘に到着。缶ジュース(300円)を買い求めたが、冷やしてはいないということで、買うのをやめた。それよりも水場の冷たい水を飲むほうがいいので、早々に30分ほど先のテント場へ向かうことにした。なんでも雲ノ平山荘に水はなく、小屋宿泊者は雨水を煮沸して飲むかテント場の水をくみに行くかしなければならないようである。ここでトモパパ&トモママとはしばらくお別れ。2日後に太郎平で合流することになっている。
ようやく着いたテント場はそこそこ広いが、平らなところが少なく、一番奥に適地を見つけてテントを設営。水場でたっぷり水をくみ、体もタオルで入念に拭く。この5日間風呂は入れないが、テント場の水場はどこも水量豊富で、気兼なく体を洗えたのが嬉しかった。おかげで、服はいつも汗臭かったが、体はそうでもなかったはずだ。水場には初めて見るクロユリが咲いていた。実際には黒ではなく、うすいチョコレート色だった。
夜は満点の星。これだけの星を見るのは久しぶりだ。天の川もしっかり出ている。翌日小屋泊まりのおじさんが「昨日天の川を生まれて初めて見た。それだけでもここに来た甲斐があった」と言っていた。へえ〜そんな人がいるもんだ、と思った。よほど都会のまん中で暮らしているんだろうけど、初めてとは。ちょっと都会を離れて見上げてみれば、けっこう見れるものなんですけどね。
(出会った鳥・動物) エゾビタキ、ホシガラス、メボソムシクイ
1日目へ ← → 3日目へ
|
太郎平小屋をふりかえる
ハクサンチドリ
チングルマの綿毛に朝露が光っている
キヌガサソウ
薬師沢小屋下の河原で休憩
薬師沢小屋を過ぎると急登が続く
アラスカ庭園
槍ガ岳が少し見えた
植生保護のための雲ノ平の木道。まわりはチングルマにコイワカガミなどなど
雲ノ平山荘
キャンプ場で汗臭いシャツを洗って干す
キャンプ場の水場に咲いたクロユリ
コバイケイソウが多いが花の咲いたものは少ない
アオノツガザクラ
|